安全性再び
インプラントの未来は明るい
改めてデンタルインプラントの安全性を考えてみたいと思います。
現在のインプラントは先に述べたオッセオインテグレーション現象を利用した、ブローネマルクシステムが殆どだと思うのですが、この治療方法が臨床応用されたのが1965年、学会発表されたのは1981年だったと思いますが、しばしばあちこちで引用されている「10年以上機能している確率96%」というのは、この臨床応用が開始されてすぐの頃の患者さんのデータですから、いってみれば実験段階の患者さんのデータだということになります。実験段階の手術を受けた患者さんの96%がインプラントの歯を維持することができたのです。これはなかなか凄いことでしょう。
ですから、その後ブラッシュアップされたこの治療法を真面目に熱心に学んだ才能ある歯科医がこの治療を行った場合、限りなく100%に近い維持率になることは想像にかたくありません。反面、いくら優れたシステムでも、不真面目に金儲け半分で学んで無責任な治療を行う歯科医がこれを行った場合、悲惨な結果になることもまた容易に想像できます。
残念ながら、日本でデンタルインプラントが市民権を得始めたのはここ数年のことか、あるいは「まだ」だという見解も成立しうるような状況ですので、日本の臨床例ではまだ統計的根拠のある長期の数字は示しにくいのではないかと思います。
しかし、そろそろ日本のデンタルインプラントの評価が否が応にも客観的な数字として顕れ始めるでしょう。医院ごとの客観的な評価も明確になり、不勉強な歯科医は淘汰されていくはずです。
熱心な歯科医の先生たちのご尽力で、やがて安心してデンタルインプラント治療を受けられる社会が訪れようとしているのだと私は思います。